造園とガーデニングはどちらも庭で行う作業であるため、どう違うのかわからない方も多いようです。英語と日本語で呼び名が違うだけで、同義語と勘違いしている方もあるでしょう。しかし、造園とガーデニングは同義語ではなく、明確な違いがあります。本記事では、造園とガーデニングの違いや、造園を成功させるコツについてご紹介します。

造園とガーデニングの違い

造園とガーデニングの違いは次の通りです。

造園とは？

造園とは、庭園を造ることです。庭園の種類や様式は問わず、個人住宅の庭や公園など多岐にわたります。また、庭園を造るだけでなく、メンテナンスも含まれます。造園を行うには、植物に関する豊富な知識が必要です。また、庭園のイメージに合う材料を仕入れることも、造園業務になります。

ガーデニングとは？

ガーデニングとは、趣味で行う園芸です。自宅の庭はもちろん、ベランダで行う家庭菜園もガーデニングに含まれます。また、玄関横の小さいスペースに植物を植えて楽しむのも、ガーデニングの一環です。

造園とガーデニングの違いは？

造園とガーデニングの違いは、趣味で行うのか、業務で行うかが大きな相違点です。造園は業者が仕事として専門知識や技術を駆使して行い、ガーデニングは趣味として植物を植えたり、庭を装飾したりして楽しむものになります。

造園で植物を植えるコツ

造園で植物を植える際は、次のポイントに留意すると良いでしょう。

高低差を意識する

造園で植物を植える際は、高低差を意識すると見栄えが良くなります。庭に奥行きが出るため、狭いスペースでも広く見せることが可能です。高低差をつける植え方は、次の方法があります。

• 高木・中木・低木を組み合わせる
• 花壇やプランターを利用する

高木・中木・低木を組み合わせると、高低差が出て庭にメリハリが出ます。高木は目隠しの役割を果たし、低木はアクセントとしての役割を果たします。花壇やプランターは、色や形などにこだわりながら、高低差を出せるのが魅力です。草花を植え、香りを楽しむことも可能です。

色彩を意識したレイアウト

植物を植える際は、色彩を意識してレイアウトすることも大切になります。色彩で庭全体を調和させたり、ギャップを生み出したりできます。色彩を意識してレイアウトする方法は、次の通りです。

• 同系色や近似色を使う
• 対照色や補色を使う

同系色や近似色を使うと、庭全体の雰囲気が統一され、落ち着きを与えられます。同系色とは、赤とオレンジなど似たような色味のことで、近似色はピンクと水色など、色味は違っても明度や彩度が似通っている色を指します。濃淡をつけてレイアウトすることで、庭に立体感が出るでしょう。また、対照色や補色を使うとメリハリが出ます。対照色とは、赤と青など相反する色で、補色とは青とオレンジなど反対色との中間の色を指します。バランスを考えてレイアウトすることが大切です。

造園を成功させるコツ

造園を成功させるコツは、次の4つがあげられます。

植える植物を厳選する

造園を成功させるコツは、植える植物を厳選することです。木に虫がついたり枯れたりするのは、その土地の土壌に合っていない樹木を植えている可能性が高くなります。住宅地に向かない木もあるため、土壌にマッチした植物を選ぶことが大切です。また、お手入れしにくいと庭を荒廃させ、枯れ葉などで隣家に迷惑をかけることもあるため、メンテナンスしやすい植物を選びましょう。

自然と住宅地のつながりを尊重する

造園を成功させるコツは、自然と住宅地のつながりを尊重することです。家から離れた場所に桜の木があり、庭にも桜を植えると、家の中から庭を眺めたときに立体感が生まれます。庭や家の敷地を広く見せる効果があります。

ピクチャーウィンドウの手法

造園を成功させるコツは、ピクチャーウィンドウの手法を取り入れることです。景観を一枚の絵画のように切り取って見せるために、設計や植栽を工夫する手法です。特定のポイントから見たときに、庭の美しい部分が額縁に収められた絵のように見えます。

家族の好みを把握する

造園を成功させるコツは、家族の好みを把握することです。家族それぞれ好きな植物、苦手な植物が異なるため、どんな樹木や花を取り入れたいか話し合いましょう。それぞれの要望を集め、造園業者に相談すると、家族の希望を取り入れた庭に設計しやすくなります。

庭を眺める

造園を成功させるコツは、庭の完成後に毎日眺めることです。庭造りが完了したら、造園が終わるわけではありません。毎日庭を眺め、植物の美しさや庭の景色を愛でることで、暮らしを豊かにする庭になります。庭が暮らしの余白を彩る存在となれば、造園は成功したといえます。