造園に関連する資格とは？資格の種類や必要性についてご紹介

造園工事をするには、土木や植物に関する専門的な知識が必要です。では、造園の知識や技術を測るための資格は存在するのか、気になるところです。また、資格にはどのような種類があるのでしょう。資格に関する知識があれば、造園業者選びでも役立ちます。本記事では、造園に関する資格の種類や、必要性について詳しくご紹介します。

造園に関連する資格の種類

造園に関連する資格は、民間のものを含めると数多く存在します。その中でも、とくに造園業で重視される国家資格は、次の3つです。それぞれ解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

造園技能士

造園技能士は、1級～3級までの3つにレベル分けされています。それぞれ受験資格が異なり、大学の指定学科卒業の場合、3級は1年以上の実務経験、2級は2年以上の実務経験が必要です。また、1級を受験するには、7年以上の実務経験が求められます。試験内容は学科試験と実技試験で、100点中65点以上が合格ラインです。2級以上の試験は難易度が高く、半数以上が合格できません。造園技能士という肩書で仕事をする場合に、必要な資格です。

造園施工管理技士

造園施工管理技士は、1級と2級の2つのレベルがあります。1級は年に1度しか試験がないものの、2級は2回の実施です。受験資格は学歴によって異なり、大卒の場合は3年、高卒の場合は10年の実務経験が必要です。また、卒業した学科などによって、求められる実務経験が異なります。合格率は17％ほどと非常に低く、難関試験の1つです。2級を取得すると、主任技術者として働けるようになり、1級を取得すると監理技術者になれます。大型の造園プロジェクトは、造園施工管理技士の資格保有者が在籍する業者でないと受注できません。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、造園という名前はつきませんが、造園に関連する資格です。1級と2級の2つにレベル分けされており、1級は年に1度の試験、2級は年に2回の試験が実施されます。土木施工管理技士の受験資格も学歴によって異なり、学歴に合わせた実務経験が求められます。大卒の場合は3年、高卒の場合は10年の実務経験が必要です。また、卒業した学科などによって、求められる実務経験が異なります。合格率も造園施工管理技士と同様に低く、1級の合格率は20％ほどです。　

造園資格の必要性とは？

造園資格の有無は、造園業者の利用者にとっては、技術力や知識力を測る目安となります。では、造園関連の資格にはどのような必要性があるのでしょう。ここでは、それぞれ解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

資格の必要性

造園業は、医師や弁護士などのように、国家試験に合格して資格を取得しなければ行えない業務ではありません。しかし、造園工事の規模によっては、より専門的な知識や技術が求められるため、資格が必要になります。

造園業に必要な知識

造園業には、設計から施工までの工程で、さまざまな知識が必要です。まず、植物の種類や成長習性、適切な植栽場所、土壌の特性に関する知識など植物学の知識は必須です。また、美的センスと機能性を兼ね備えたデザインが求められるため、デザインとレイアウトやCADの知識も求められます。そのほかにも、構造物を設計・施工するための基礎的な土木工学の知識も必要です。

造園施工管理技士の必要性

造園施工管理技士の資格は、工事の規模が大きくなると必要になります。個人住宅の造園工事では必要ありませんが、公共事業などでの造園工事では、造園施工管理技士を配置しなければなりません。500万円以上の造園工事を行う際は、国や自治体からの認可が必要となります。認可を得るには、造園施工管理技士や造園技能士を有することが条件となっています。そのため、造園施工管理技士や造園技能士が在籍する造園業者は、大きなプロジェクトも扱える業者と言えるでしょう。

造園業は無資格でもできるのか？

造園業は施工実績を増やすことで技術力を高められるなど、実務によって知識や経験値を増やすことが可能です。無資格で行える業務もあるため、必ずしも資格が必要ではありません。ただし、役職付きの業務を行う場合は、資格が必要になります。大きい現場では、造園の知識や技術だけでなく、安全管理や指導力なども求められます。造園業のプロと名乗るにあたり、資格は必要と言えます。